1980年代までは安定したメディアの娯楽として続いてた時代劇。しかし、ここ数年では以前にも増して見る機会が減ってしまいました。

そもそも時代劇というのは戦前から映画でも楽しまれてきた活劇ですが、なぜ目にする機会がこれほど少なくなってしまったのでしょうか。

時代劇を演じられる役者がいなくなった

基本的に時代劇の衰退にはいくつかの明らかな原因があるとされますが、その大きなものの1つとして、時代劇を安定して演じられる役者がいなくなったことが挙げられます。

ここで言う「演じられる役者」とは演技力を持ち合わせていると同時に殺陣ができる役者を指し、自分でメイクもできる役者が居なくなったことが非常に大きいのです。時代劇は撮影よりも衣装は化粧などの準備時間が長く、拘束時間も相当長いものです。

精神力や忍耐力共に強くない役者は対応できず、ここが現代の役者が時代劇を上手く演じきれない部分と言えるでしょう。

時代劇のカメラワークができるスタッフもいない

また、それと同時に大きいのが時代劇を撮影できるスタッフが居なくなったということです。上記に述べた通り、時代劇は映画からテレビにシフトしていった活劇ですが、少なくとも1980年代までのテレビの時代劇は映画の時代劇を支えたスタッフによって製作されたものばかりだったのです。

映画で培われた巧みなカメラワークを駆使したテレビの時代劇は大いに受け入れられ、役者の魅力を良く引き出したことで人気の時代劇シリーズも数多く生まれました。

ところが、2000年代になるといわゆる少子高齢化がより深刻化したことで、1990年代に撮影技術の継承が上手に進められなかった事情もあり、時代劇そのものの製作が一気に減少していくことになります。

それと同時に、時代劇の撮影現場では親方と弟子という徒弟関係が根強いので、それに馴染めない若年層から敬遠される職場となっていったのも大きな要因でしょう。

時代劇撮影のロケスポットを探すのが難しい

さらに、時代劇撮影にとどめの一撃だったのが、京都などにおける撮影スポットの大幅な減少になります。近年、京都への外国人訪日客が急増していたこともあって、従来時代劇には欠かせなかったロケが困難になったのです。

今は京都のどこに行っても外国人が歩いていますし、スマホで物珍しいものはどんどん被写体とするので時代劇に相応しい絵を撮影すること自体が無理なのでしょう。

かつては時代劇も予算が潤沢で、映画撮影などでは国宝級の文化財の中で撮影も当たり前にされていた時代もあったものですが、現在は観光客重視なので到底できない相談となります。

現状では時代劇の復活は相当解決が困難な状況にて、上記のような問題はこれからより深刻化していくのは必至です。そのうち、日本で時代劇があったことも知らない世代が出てくることでしょう。